おはようございます。
本日も、AmazonプライムのPrime Readingサービスで、現在提供されている本のレビューを行っていきます。
Prime Reading対象本レビュー
きみが来た場所
喜多川 泰
オススメ度:★★★★
読みやすさ:★★★
ページ数:215頁
◆内容の概要
自分のルーツ、親、祖父母の体験を夢として見ることができるようになった主人公が、今をどう生き、どう未来につなげるのかを知って行く物語。
◆どんな人にオススメか
現代日本の豊かさ、自由さを忘れてしまっている人。
◆面白いと思った所、興味を持ったところなど
膨大な数の先祖の一人でも欠けたら、自分が存在しないことを改めて気づかせてくれたところ。
◆mugenkaiの感想:
人生の大切なことを教えてくれる喜多川 泰さんの小説です。
主人公は、大手企業を辞め、自分で考え、自分で問題が解決できる子ども達を育てるための塾を開いています。
とはいえ、そのような理想の教育は効率が悪く、すぐに結果が出にくいこともあり、なかなか生徒は集まらず、経営も軌道には乗りません。
二人目の子どもがもうすぐ生まれる中、自分の理想を叶えるための退職が正しかったのか、悩む主人公。
そんな中、とあることで手に入れることになったキャンディー。
それを食べると、必死に悩み苦しみ、生き抜いてきた祖父母、両親たちの体験を夢に見ることができるようになりました。
その中で、主人公は人生の意味を知り始めます。
主人公の祖父母の時代は、太平洋戦争中。
敗戦後、満州から命からがら帰ってくるなど、かなり厳しい体験が描かれています。
自分の祖父も終戦後、シベリア抑留を経験しているので、かなりリアリティーをもって受け止めました。
ガリガリにやせ細りながらも生き残って帰国し、その後、父が生まれています。
そこで、もし祖父が日本に帰れていなかったら、自分はこの世に存在しなかったかと思うと、人の縁の不思議を感じます。
現在の日本において、大きく失敗したとしても、命までとられるということはまずありません。
食べ物を手に入れることができず、餓死ということも考えられません。
この豊かで平和な国を造るための礎として、異国に出兵してくれた祖父、戦後の復興期にバブル等も経験しながら地道に働き続けた父、それらをサポートした家族たち。
先人たちの有難さ、そしてそれを次世代にも引き継いでいく大切さを感じさせてくれる小説でした。
2022年1月22日現在Prime Readingで読書可能。
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