Prime Readingレビュー410冊目:余命10年

おはようございます。
在宅勤務が続いていますが、今日は昼間ですらクーラーがいらないくらい涼しくなり、どんどんと夏が遠ざかっていくのを感じています。


本日も、AmazonプライムのPrime Readingサービスで、現在提供されている本のレビューを行っていきます。

Prime Reading対象本レビュー

余命10年
小坂 流加

オススメ度:★★★★★
読みやすさ:★★★
ページ数:304頁

◆内容の概要
余命10年の20歳の女性が、最期まで歩んだ「生きる」という形を描いた小説。

◆どんな人にオススメか
・何かをしなければとは感じていながら日々をなんとなく過ごしている人。
・色々な理不尽なことに悶々としている人。

◆面白いと思った所、興味を持ったところなど
死の期限を突きつけられていると、幸せすら重荷になってしまうということが書かれている所。

◆mugenkaiの感想:
久々に物語を読んで、泣きました。
フィクションであり、実際には無い話であるのに、泣けるというのは、この世界に実際、似たような話はあり、同じように苦しんでいる人がいると自分が共感できているからでしょう。

-主人公の茉莉(まつり)は20歳の時に遺伝性のある難病が発症します。自分の病気のことを調べると、現代医療では治療法が無く、10年を超えて生きた人はいない。発作により、意識不明になり、手術、入院、薬物治療と耐え、退院できるまでには回復するものの、完治はできず、死を意識した余命10年の生活が始まります。

体のせいで、働くことはできないので、没頭できる趣味を見つけ、少しずつ人との付き合いを取り戻していく。そんな中、同窓会で一人の男性と再会し、恋という感覚から「生きる」という感覚も取り戻していきます。

波乱万丈な人生を送っている社長のエピソードを見ていると、「どんな状況にあっても、命まではとられないと肚をくくったら、乗り越えられた」的な話を聞きます。そう考えると、その命がそう遠くない未来にとられるとわかっている時の絶望感は、想像を絶するものがあると思います。

理不尽な不幸に襲われた時、自分ならどう立ち向かうのか、本当に1年後も生きているかは分からないこの日々を何も考えずダラダラと生きていていいのか、茉莉の行動を追いながら、少し考えてみるのはいかがでしょうか。

追記:2007年に刊行された本書と、作者の数奇な運命が重なっているようにも見え、少し考えさせられました。

2021年9月14日現在Prime Readingで読書可能。

※Prime Readingは、Amazonプライムのサービスの1つです。読書可能な本に関しては、定期的に入れ替えられますので、現在無料で利用できない可能性もあります。ご了承下さい。

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