Prime Readingレビュー414冊目:白昼の死角

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本日も、AmazonプライムのPrime Readingサービスで、現在提供されている本のレビューを行っていきます。

Prime Reading対象本レビュー

白昼の死角
高木 彬光

オススメ度:★★★★
読みやすさ:★★★
ページ数:662頁

◆内容の概要
詐欺師・鶴岡七郎が、作者に語ったという七郎自身の犯罪史をまとめた体(てい)の小説。

◆どんな人にオススメか
戦後の混乱の中を知能を駆使して生きる犯罪者のパワーを感じたい人。

◆面白いと思った所、興味を持ったところなど
金に対する欲望と人の心のもつれ合いが織りなすドラマ。

◆mugenkaiの感想:
筆者が犯罪者に聞いたというのはフィクションであろうが、なかなかにリアリティがある話だったなと読み終わって感じました。

ちょっと調べてみると、実際にあった事件を参考に書かれたもので、最初の東大生たちが高利の金利でお金を集める金融会社も、戦後すぐに起こった「光クラブ事件」を参考に書かれているようでした。

主人公の詐欺師・鶴岡七郎が、天才と認める隅田光一の一分一秒スケジュールを細かくつけるという、マンガの中にしか存在しないようなキャラクターの人間が、実際に居てモデルにされているという話には驚きを感じました。

太平洋戦争後の混乱を利用し、一旗上げてやろうと、金融会社「太陽クラブ」を立ち上げる、隅田光一と鶴岡七郎ら東大生たち。
しかし、稀代の天才なのに、光一は酒に女にだらしなく、その才を鈍らせて破滅に進んで行く。それに巻き込まれて、詐欺犯罪の道に進む七郎。
光一を失った後、己の法律の知識を駆使し、旧知の仲、裏社会の人々、究極の選択を迫られ墜ちて行く市井の人を巻き込み、自分は罪に問われない完全犯罪を重ねて行きます。
最後には完璧だった筋書きが、時が経つにつれ、関係をもった人それぞれの予測できない行動が積み重なり、崩れていきます。そしてそれは、七郎の大事な人達に悲劇を招きます。
その様は因果応報であり、犯罪は割に合わない気持ちを読者に引き起こしてくれます。

戦中に育ち、戦後の混乱期に翻弄された七郎は一体、どんな結末を迎えるのか、この長編を秋の夜長に楽しんでみてはいかがでしょうか。

2021年9月18日現在Prime Readingで読書可能。

※Prime Readingは、Amazonプライムのサービスの1つです。読書可能な本に関しては、定期的に入れ替えられますので、現在無料で利用できない可能性もあります。ご了承下さい。

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